新型コロナ 希望しても検査してくれないのはどうして?

新型コロナ 希望しても検査してくれないのはどうして?

2020年3月上旬、韓国がばんばん希望者に検査をしている中、「日本ではなぜ積極的に新型コロナウイルスの検査をしないのだろう…?」と私は思っていました。

また、一部のテレビ局で「検査希望者には全員検査できる体制を作るべきだ」と医師がコメントしたことで、同様の意見をもった方もいるのではないかと思います。

厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の見解(3月9日)や、専門家会議の副座長の動画のなどを見て、検査を積極的に実施しない理由が納得できました。

 

積極的に検査しない理由は、「人の命を救うため」です。

 

そして、人の命を救うためには以下の3点が必要であると考えられています。

1.重症化の可能性のある患者を早く見つける

2.医療のキャパオーバーを引き起こさせない

3.感染リスクの高い人に感染させない

 

 

1.重症化の可能性のある患者を早く見つける

厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 「新型コロナウイルス感染症対策の見解」(3月9日)によれば、重症化する患者は、普通の風邪症状が出てから約5~7日程度で、症状が急激に悪化し、肺炎に至っています。

命を救うためには、新型コロナウイルスに感染した重症化・重篤化しやすい患者を早く見つけ、適切にかつ迅速に治療する必要があります。

ですが、無症状や軽い症状で念のため検査したいという方が医療機関に押し寄せた場合、新型コロナウイルスに感染した重症化しやすい患者の検査と治療が遅れる可能性があります。

「検査で感染していないことを確認したい」と思う気持ちは分かりますが、残念ながらPCR検査の精度上、陰性だからと言って「感染していない」と100%言い切れないのです。

BuzzFeedの記事によると、聖路加国際病院、QIセンター感染管理室マネジャーの坂本史衣氏は「新型コロナウイルスによる感染症 (COVID-19)を引き起こすウイルスである「「SARS-CoV-2」のPCR検査の感度は、30~50%や70%だという報告がある」と述べています。(私は論文までちゃんと読んでいませんがご参考)

重要なのは、現段階で新型コロナウイルスのPCR検査はあくまでも、治療すべき人を探すための手段であるということです。

 

2.適切な治療を施せる医療体制をつくる

日本の医療資源(医療従事者の数、ベッド数、ICU、人工呼吸器など)には限りがあります。

人の命を救うためには、重篤な患者があふれて治療を施せなくなる状態を避けなければなりません。

以下の図は、厚労省の新型コロナウイルス対策の目的(基本的な考え方)のイラストを元に一部改変して作成しました。

 

厚労省の新型コロナウイルス対策の目的(基本的な考え方)のイラストを元に一部改変して作成

 

赤のラインは、何の感染拡大予防対策もしなかった場合、青のラインは対策をした場合です。

感染拡大予防対策をしなかった場合は、急激に感染者が増加し、医療のキャパシティ(適切な医療を患者に提供できる範囲)を超えてしまう可能性があります。

人の命を救うためには、限りある病院のベッド数、人工呼吸器などの医療資源の範囲内※で対応できるように、重症化する感染者数を抑える必要があります。

(※3月6日に発表された(一社)日本呼吸療法医学会・(公社)日本臨床工学技士会の調査によると2020年2月調査時で、全国で人工呼吸器は22,254台(待機13,437台)、心肺補助(ECMO)システムは1,412台(待機1,255台)と報告されています。)

つまり、感染拡大予防対策を実施し、感染者数および感染者数増加のスピードを落とすこと、さらに医療体制を強化し医療のキャパシティそのものを広げる※ことが、一人でも多くの命を救うことにつながります。

※国内で患者数が大幅に増えたときに備え、新たに医療資源を確保し、患者の受け入れ体制のある医療機関を明確にしてスムーズに治療が開始できる体制を作ろうとしています。

 

3.感染リスクの高い人に感染させない

厚労省によると、これまで新型コロナウイルスの感染者で重症化しやすい方は以下のような方です。

・ 高齢者

・ 糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD 等)の基礎疾患がある方や透析を受けている方

・ 免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方

そのため、重症化しにくい若者(10代から50代)や軽症の人が、上記に該当する重症化しやすい患者に感染させないことが重要になります。

 

北海道では、クラスター感染(集団感染)が把握されています。

集団から集団に感染が拡大すると、爆発的に感染者数が増加する可能性があり、医療のキャパオーバーを引き起こしかねません。

そのため、このクラスター感染を起こさせないことが重要です。

 

クラスター感染は以下の3つの条件は同時に重なった場合に起こっていると報告されています。

①換気の悪い密閉空間

②人が密集していた

③近距離での会話や発声が行われた

これまで、上記3つを満たしたスポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テントなどで感染が確認されています。

 

定期的に換気をする、人と人の距離を保つ、近距離で話す必要があるときはマスクを着用するなど、この3条件を同時に満たさないように対策するとともに、個人の手洗いやアルコール消毒、咳エチケットをすれば、感染リスクを下げることができると考えられます。

感染リスクを下げつつ、経済活動を止めないアイデアを出し合い、議論し共有する場や、個人個人の状況に合った具体的な情報・対応方法が整備されまとめられているサイトがほしいですね。

 

4.まとめ

重要なのは、人の命を救える体制を崩さないこと。

そのためには以下の3点が必要で、そのために検査は重症化しやすい患者に限定している(2020年3月16日現段階)ということです。

1.重症化の可能性のある患者を早く見つける

2.医療のキャパオーバーを引き起こさせない

3.感染リスクの高い人に感染させない

 

 

5.私見

ただ、祖父母と同居している、基礎疾患を持った方が家族にいるなどの場合、その方にうつしてしまわないか心配になる気持ちにはどう対応したらいいのでしょうか?

また、感染拡大予防対策のイベント自粛、学校一休校で、経済的な打撃などの影響が表れています。

働けなくなるなどの副作用や経済損失を考慮すれば、基礎疾患持っている方、妊婦さん、高齢者と同居している子どもと大人、高齢者だけ自粛すればいいのではないか?と考えてしまいます。

個人個人の適切な自己判断は難しいからイベント主催者も自粛が必要なのでしょうか。

ある意味、同調圧力の強い日本人にとっては、個々の判断に任せるよりも一斉自粛の方が適しているのでしょうか。

疑問と問いは生まれるばかりです。良い情報あったら教えてください。